「107時間目・いじめっコ大将、エヴァ」の途中から。
「刹那・・・・貴様――」
エヴァは冷酷なオーラを纏い、一歩一歩と詰め寄りながら言う。
「幸せになれると思うのか?」
歩を止め、冷酷に言い放つ。
「私と同じ。人外のお前が。 ・・いや、貴様は半分だったか」
刹那の中で、烏族の血が騒ぐ。
冷笑を浮かべてエヴァは続ける。
「・・・・フフ。お前のその背中の翼・・・・・・」
ギギギギギギギ…。
刹那の心の中、重く閉ざされた扉がジリジリと開かれようとしている。
「・・・白かったな」
「!?」
エヴァは冷笑を更に歪めた。
「その黒髪はどうした?染めたのか?」
心の中、扉を閉ざしていた鎖の1本が爆ぜる。
「瞳は?カラーコンタクトか?」
「・・・・!?」
2本目、3本目と立て続けに鎖が崩れる。
「くぉらーーこぉのバカエ……」
「じゃかぁしい!!」
明日菜の叫びを消し飛ばす。
「……。邪魔が入ったな」
険しい表情を冷笑に戻して刹那に向き直る。
「そうそう。髪に瞳。便利な世の中になったよな」
刹那の頬に白く細い指を這わせる。
「お前もその薄い皮膚の下…」
再び瞳の横のあたりまで指を戻し、今度は爪をたてる。
「必死に押し込めてはいるが貴様は…」
刹那の頬を切り、紅い滴がエヴァの指を伝って地に落ちる。
「≪化物≫だ。」
「いゃぁああぁああああ!!!!!!」
心の内に、トラウマが堰を切った様に畳み掛ける。
幼い心に生々しく刻み付けられた、残酷な記憶。
次々と浮かんでは消えていく。
首がガクリと下がる。
全身から力が抜け、完全に糸に吊られるマリオネットだった。
時折、ビクビクと痙攣している。
「理解したか?“同類”よ」
part2へ続く。
あとがき
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